ゼミ発表おつかれ

 特に最初に話すことはない。スペースでもっと話せるようになりたいね。なんというか最近全然人と話してない。話したいことが話せてない。まあ、ここに書くようなことを話すと友達減るだけなんだけど。まあ仕方なし。明るく振る舞ってて、でも周りから「コイツ本当はこんなこと話したくねえんだろうな」みたいにバレてたら悲しいね。

 

 

 本題。昨日ゼミの発表だった。内容は研究の中間報告。11月に修士2年の中間発表と言うと、もう研究の集大成をお披露目のイベントだ。後は修論書くだけでーすって言う場。そんな発表で、コケた。無駄に長い発表だし成果はまだ出てないし、散々だった。その醜態をまとめたものをまず書こうと思う。

 

 まず、俺の研究はデータが飛んだというのもあってまだ結果が出そろっていない。何なら今あるデータも「これで良し」と諸手を挙げられる出来ではない。つまり、結果がない。

 

 そして、結果を急ぐからスライドの作成も後回しになる。俺は発表の前々日までは結果を作るために計算をぶん回していた。そして、前日になって初めてスライドの作成に着手した。だから、徹夜でなけなしの資料を作って発表に挑むことに。

 

 まあ、そんなことだから発表の練習もすることなく壇上に立つことに。頭の中で漠然と「こんな感じで話そう」というイメージだけ持って挑んだ結果は…。

 

 全然セリフが出てこない。以前から発表していた箇所だけは話せるが、初めてお披露目するスライドの説明は言葉が詰まる詰まる。吃音なのかと自分を疑ってしまうほどに。そして見せるスライドも1日で作った物だから構成がバラバラ。話しながら「コレで何が伝わるんだ…」と思ってさらに焦ってしまった。

 

 こんな調子で発表を終えても、誰も何も質問なんてしてこない。当たり前だ。発表者ですら何言いてえかわかんねえんだもん。質疑応答の時間は先生から「もっとストーリー練れ」とだけ言われた。空気はお通夜。泣きたいよ。

 

 

 はい。そういうことで俺は今回反省用の記事を書こうと思ってPCを立ち上げた。

 正直、ガチガチに仕上げていけばもっといい結果になったとは思ってる。一番の理由は自分の準備不足だ。初めて就活面接受けたときも同じこと言われたな。「その場で考えてることが多くて、まるで準備してない」って。

 でも、準備の多寡に次ぐ原因として自分のスペック不足があると思う。研究のストーリーとやらをいつになっても作り上げられない自分の技量と、檀上でロクに話せない己のコミュ力のなさ。この二つに対して自信喪失した。今から掘り下げる。

 

 

 まずストーリー構成能力。これは研究の「背景目的方法結果考察」という流れを作る能力のことである。背景と目的を隙がないくらいにガチガチに固めて、次にそれに呼応する方法と結果を用意して、最後に考察でさらっとまとめれば終わり~。なんだが、実際はそうはいかない。大体はボヤっとした目的があって、方法論を練りに練ってお眼鏡にかなう結果をひりだす。結果がダメなら「ダメでした」という論文にするか目的を変化させて事なきを得る方法がある。こういう、物語をあり合わせの結果からなんとか作るというのが研究におけるストーリー構成能力。

 俺には足りていなかったらしい。自分ではしっかり流れを汲めているつもりだったが、周りから見てみれば疑問点がポコポコと湧いてきたらしい。具体的に言えば俺の研究はある箇所のシミュレーション精度向上とその結果なのだが、精度を向上させる目的とか、結果を出して何がしたいのかとか、そこらへんがあいまいなんだとか。俺にとっては「シミュレーションの精度は高ければ高い方がいいし、未知の現象の結果ならわかった方がいいだろ!」って言いきりたいのだが、それではいけないらしい。

 なんというか、自分だけ実用性の低い研究テーマを与えられて「役に立たない」なんて罵られているように思ってしまう。自分だけ事細かな結果運用をなぜなぜ問答されている気がする。本当は自分の目的設定能力が低いだけなのだろうけど。

 元々自分では進路選択や趣味でも「目的を設定してそのために行動する」ということに長けていると思っていたため、能力が足りていないとわかったときはショックだった。確かに目的と矛盾した行動(例えば家庭を持ちたいのに非モテから脱却していない等)をしてしまうことはあるが、そもそもルートを決める能力が低いとは思っていなかった。なぜなぜ問答をされた程度で瓦解してしまって情けなかったぜ。

 

 次に、発語能力。コミュニケーションとは少し違うかも。人との会話ではなくスライド発表ができなかったんだから。瞬時に頭の中で文章を考えて口に出すという能力の話。今まで謎の自信で「自分は緊張もしないし檀上に立つのも平気」だと思っていたが、実際はそんなことは全くなかった。普通に立っている足の筋肉が硬直してるのが分かったしマトモな日本語の文章すら出てこなかった。吃音みたいな感じ。すごい恥ずかしくなったな。世の中でプレゼンしている人がみんなスラスラ喋っているから、自分にもできると思ってたけど、できなかったみたいだ。言葉のパズルの解読能力が著しく低いのではないかと、とてもブルーな気持ちになった。

 

 

 以上が、俺がゼミ発表でショックを受けた事項だ。今まで自分に十分にあると思っていた能力が実はなかった。正確には社会生活をする上で足りなかったと言った方がいいか。足りなかったのだ。組み立て能力も言葉のパズルも準備も足りなかった。こうして俺はまた、大人の階段につまずいていることに気が付いた。