こんなゲームにマジになっちゃってどうすんの

 久しぶり。1か月ぶり? そんなところか。

 タイトルはあるゲームで使用されたメタ的な煽り文だ。そう、今日の主軸はゲーム。

 

 1か月前、俺はマッチングアプリどん底にいた。数人会って誰とも続かなくて、それで半分諦めるようにプレイするようになった。知人に攻略を訊いたらお洒落なカフェに行くだとかジャケットと革靴で行くだとか美容院に行くとか…とにかく金がかかるのだ。それを言い訳にして、「まだ革靴買える金がないから会わない」という択を取り続けてきた。 まあ、メッセージ数往復して会う意思を見せない奴が良い感じになるワケもなく、非モテ男性の出来上がりっと。

 

 女性と会うにはとにかく金がかかる。美容院、服、靴、交友費…5万と週末が優に吹っ飛ぶ。そして俺の容姿と話術と性格では成功率も…。ハズレの確率の存在が射幸心を高めるとは言っても、ここまで当たりくじが低ければバランス崩壊だ。俺はこのゲームにマジになるのをやめた。

 …成功体験および性交体験でもあれば、肉の味忘れられなくて続けるんだろうけど。

 

 

 金がない俺が辿り着いたのはオンラインゲーム。以前からやっているガンダムの対戦ゲームのコミュニティに入り浸るように。そして、遂に大会デビュー。素人限定の小さな大会だったが、俺にとっては一世一代大勝負。試合までの2週間、連日連夜練習に励んだ。

 とにかく毎日が充実していた。格上の練習相手にいつもボコボコにされていた。チームメンバーとケンカした。3時までトレーニングモードで先生と二人、ずっと基礎練習をする日もあった。作戦通りに動けて勝ったときは最高の気分だった。自然と周りに仲間が増えていた。

 

 んで、迎えた試合本番。3ペアとの総当たり。2本先取で勝ち。そんなルールで試合に挑んだ結果…全負け。1本だけ取ることができたが、その相手にもやっぱり2本とられて負けた。練習していないようなペアにも負けた。これが俺の2週間の結果。

 

 まあ、言ってみれば才能がほとほとないのだろう。もうこのゲームを始めて3年目、真面目に始めてから半年を過ぎた。しかし、このありさまだ。そんなの寿司職人の道と比べればなんのそのだが、俺は相対速度の話をしている。周りには始めてすぐに上級プレイヤーになるような人間もポコポコいる。まあ、そんなのは上しか見ないことによって生じるバイアスでしかないのだが、自分が伸び悩んでる間はそんなものも本気に思えてしまうのだ。

 

 んで、本題。こんな(才能ない)ゲームにマジになってどうすんの。

 確かにトッププレイヤーにはなれそうもない。だけど、楽しいからやる。周りの人と努力するのが楽しい。実際、ゲームは努力が報われやすいから報酬系を刺激するには十分。仕事でそんなことめったにないからね。これでいいのよ。現実で足踏みしてるから、ゲームで疑似的に。

 

 

 俺がマチアプに対してそこまで入れ込めなかったのは、成功体験が皆無で報酬系を刺激されなかったこと、俺の性欲と金が足りなかったこと、自分を偽らなければならないこと、努力と相関しないこと…要はそこまで面白くないゲームだったからなんじゃないかな。 

 多分、俺はあと数歳重ねたときに後悔する。苦しいマチアプを続けなかったことに。童貞を捨てられなかったことに、恋を知らないまま結婚相談所に並べられることに。

 楽しく生きようとすると将来が辛くなるなんて、やっぱり社会はクソだ。というより、俺が社会に不適合だから幸せを求める行動と結果がマッチしないのだ。社会の中での需要と供給、物々交換に混ざれない。自己完結するものでしか幸せになれないってのは悲しいねえ。

 

 

 

 

 俺の童貞が顔を出してかき乱したが、要はこう言いたい訳だ。

 ゲームは楽しいからやるの!

 マチアプは楽しくないからやらないの!

 

 マチアプを素で楽しめる人間になりたかったなって。