ニヒリズムの俺的解釈

 反出生主義とか見てきて、何かしら自分にも主義というか固定された考えが必要だなって思ったから書く。結構矛盾とかあるかも。まあ人間は矛盾だから、そこらへんはね。

 

 

 結論から言う。世の中には反出生主義やニヒリズムという考え方(思想って言うと偉そうな感じするから言わない)があるけれど、そういうのは全部理屈の上では正しいと思う。個々人がどのように生きたって世の中は数十億分の1くらいの影響度でしか変わらないし、自分の代わりはいくらでもいる。理屈だけで考えれば子供を産み落とすのは他人の苦痛を生産すること。そして自分が生きてるのだって苦痛の方が多いんだから、割に合わないと思う人間は今すぐにでも自殺すればいい。それとも少しのドーパミンがたくさんのストレスよりも勝るのが理屈だというならここでジ・エンド。少しの脳汁求めてあくせく生きる奴隷姿が正しいしガキ作るのも合理的。なので理屈さんが提唱するのは前者。ガキは作らないほうがいいしみんな自死した方がいい、らしいよ。

 

 

 とんでもない極論で一見負け組の文句にしか聞こえない説だが、俺は考え自体は正しいと思う。でも、この手の偉そうな本が述べるように子供を作らず孤独と自然にまみれて一生を終えたり、積極的に自死を選んだりはしない。社会はそんな理想形にはならないし子供だって作られ続ける。正しいように世界は動かない。なんならちっとも正しくならない。反出生主義の真逆である俺もときたま嫌気が差してるくらいには。

 

 

 なぜか。人間の持つ本能は理屈に矛盾してるから。理屈に反するのだから正しさの欠片もない。人間は正しくない。

 人間はどうあがいても本能を持った動物であり、瓶詰にされた脳みそだけの姿になってもそれは変わらないと俺は思ってる。本能ってのはプログラムだ。生物の授業を少しでも齧ったことのある人ならわかると思う。生物にはある種の行動プログラムがある。生物の枠組みにないウイルスでさえも自己増殖という理に従っている。そして、これはちょっとやそっとの信念じゃ抗えないくらいには強い。自死が最も理屈通りなんだから少なくとも自殺してない奴は本能に動かされているって言えばわかりやすいか。そして、どれくらい理屈で自殺した奴がいたかって話よ。まあ大体は脳汁が出なくなる病気だろうから、やっぱり人間の本能は強い。

 

 でも子供を作るのは性欲でしょ?それなら抑制できるじゃん! コレを本気で言ってる大人って結構いるよね。もちろん個々人でコレを行うことはできる。だけど、本当にこれで絶滅できると思うか? 俺は思わない。だって子孫は環境によって作られるから。環境効果ってやつかな。種を残さなきゃ絶滅するって時はどこのセンサーで感じ取ってるのかはわからんが大抵子孫を残す。多分、昔だって反出生主義という考え自体はあった。それでも、反出生主義しか見当たらない集落が絶滅したことあったか? 多分自然災害とかで滅んだトコはないと思う。 いやいや、今の文明ならいけるんだよって言うならまずは、外界から断絶された国に反出生主義者を集めてみて欲しい。そこからじゃないかな。 

 もちろん、成功した後もこの考えを普及できるかという壁がある。人間が少なくなる程強くなってくる種の存続本能を果たして最後まで理屈で押し返せるのか? そこまでできれば人間の理性も立派なもんだが、そこまで人類の理性は立派じゃないと俺は思ってる。だから反出生主義の通りにならないと思ってる。

 

 以上、短くて説明不足が目立ちそうだが、俺なりの考え。反出生主義もニヒリズムも正しいけど、その通りに世の中は動かない。人間の本能を舐めない方がいいって話。悔しいけどイジメがなくならないのと同じように、これからもコミュニティは続く。以上!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おまけ。少しSFの見過ぎかもしれんけど、実のところ俺は反出生主義ですら環境によって生み出された考えだと思ってる。人間って増え過ぎたから、減らすためにそういう考えがはびこるようになったんじゃないかなって。特に都会!ああいう人口密度爆発してる場所に住んでたら、生物的には子孫作んなくていいわけで。それを悟った本能が理性使って御大層な「反出生主義」なんて作ったんじゃね? なんて偏屈なこと考えてる。 実際は多分すっごい暇な人が考えたんだろうけどね。