気を遣うのも大変だな

 久しぶり。最近は研究室と家の往復が生活のほぼ全てだ。と言っても家ではたっぷり遊んでるから辛いとか思ったことは一度もない。研究室ですることはPCで計算をするだけ。計算中は何もできない時間が発生するからまた帰宅…といった次第だ。

 そんな怠けた生活だからか、寮で遊ぶ機会が多い。その時に感じたことをこの記事に書く。正直、遊びレベルのモヤつきだから一生懸命生きている人達にとっては耳障りが悪いかもしれない。

 寮の仲間とはよく麻雀をする。大学生が集まっているんだからやらない理由がない。別に仲間内でやるからひりついたゲームにはならない、大体は。

 基本的にはみんなでワイワイ喋りながら麻雀を楽しんでいるのだが、問題はワイワイしていない時にある。黙々とやるとこのゲームは勝っている人間が上機嫌になって負けている人間が不機嫌になる。たかがゲームなのにと思ってしまうかもしれないが、ゲームという単純な枠に当てはめることで人間性がよりシンプルになってしまうと言えば納得しやすいだろう。俺はそんな風景を見る側になるのも作る側になるのもいい加減飽き飽きしていた。もっと和気藹々と楽しめないものか。そう考えた俺は終始喋る、ボケる、リアクションするといったピエロのようなプレースタイルをとるようになった。真の問題はここからである。

 最初こそ俺のピエロに周りも楽しそうにしていたが、次第にそれも効かなくなってきた。俺が喋って場を和ませようとしても「三味線だろ」と言われて益々負けてる人間の機嫌が悪くなる始末。確かに俺の喋りを含めたプレイングにも問題はあるのかもしれないが、問題は相手にもある。やはり機嫌を悪くした人間なんてそうそう手を付けられたものではない。頭の熱くなった人間には周りの言葉も動作も全て色眼鏡を通して感じられるから、下手なパントマイムは火に油を注ぐだけだ。

 この麻雀の悩みは現実にも転用できると思う。自分と相手の互いが正常な状態の時のご機嫌取りや気遣いは案外難しいものではないと思う。それこそ無駄なことを言わなかったりこまめにお礼や謝罪を言えていれば十分だ。だが、相手の気分が不安定な時はどうすればいいのか。これは麻雀以外にもあると思う。仕事が溜まっている人相手に仕事の話をしなくちゃいけない時や感情的に昂った人間の相手をするときとか、現実には冷静じゃない人間の相手をする機会はいくらでもある。

 俺のピエロが下手だというのは、純粋に俺の気遣いが下手糞だということなのだろう。人間関係をうまくいかせるためには自分を殺して相手を活かすことが求められるシーンはちょくちょくあるはずだ。具体的な方法は分からないが、もっと上手なピエロになれるよう努力したい。そう意識することで少しは巧くなる、かも。