俺に親友ができない理由について

 友達作りをしようと心に決めてからもう1年近く経とうとしている。でも結局俺にできたのは「お互いに気を使い合う仲」の人間だけだった。俺にはやはり親友を作ることなどできないのだろうか。

 年の差があるから距離を置かれやすいと思っていた。それなのに、他の先輩連中はとっくに後輩と仲良くなっている。ベタベタしている先輩後輩関係と、常にパーソナルスペースを取られる俺。もっと仲良くなりたいと思って、考えて行動しているというのに一体俺のなにが悪いって言うんだ。

 確かに俺は周りの人間と違う箇所が多い。俺は常人より感覚がどこかおかしい所があるのも分かっている。だから俺は極力そういう感性をあまり出さないように、頭のおかしい人間であるということがバレないように過ごしてきた。育ちが極めて悪い被虐待児童であったことも虐められていたことも人格形成に影響を与えているのかもしれない。そういう自分のおかしいマイナスな箇所で気を使われないように極力この一年は気を配って生きてきた。

 1年以上前は全く気を使うこと等しなかった。その、気を使わないという行為で人を遠ざけているということに気付いてから気を使いだしたのにこのありさまだ。もう何をしても親友ができる気がしない。俺が面白い話をしてそれを聞いて笑う人。俺に世間話を聞かせる人。それだけの関係しかつくることができないのか。元々和気あいあいとは遠くかけ離れた場所にいる人間であるということは察していたが、どうしようもない孤独の星の下に産まれた人間であるということまでは知りたくなかったかもしれない。

 気を使っても気を使わなくてもダメ。結局ダメじゃん、俺。ほらな、見えねえよ親友。

 

 これからも多分俺は周りと仲良くなれるように点数を取って、飯時に一緒にいれば誘われるレベルの交友関係を何とか作ろうとする。親友になれないということに気付いていてもその方が生きていきやすいから。心が疲れた時が縁の切れ時か、それとも向こうから切られるか。

 

 何かデカイ壁が欲しい。複数人じゃなければ到底越えられない壁が。そういう物をみんなで乗り越えられたときに絆が産まれるかもしれない。それでもなお俺にみんな他人行儀みたいな接し方をするのであればもう死にたいよ俺は。